通関用神(つうかんようじん)とは、命式のなかで対立する二つの五行の間を取り持つ用神のことです。剋し合う関係を、生み合う流れへとつなぎ直します。
この記事の要点
- 通関用神(つうかんようじん)とは、命式のなかで対立する二つの五行の間を取り持つ用神のことです。剋し合う関係を、生み合う流れへとつなぎ直します。
- 通関用神は、相剋(剋し合い)が命式の偏りの中心になっているときに選ばれます。攻める側と攻められる側の間に立つ五行を用神とします。
- 星命の栞では、通関用神を「対立を解く魔法」ではなく、五行の対立を流れへと変える視点として扱います。
通関用神とはの結論
通関用神とは、命式で二つの五行が剋し合って滞っているときに、その間を取り持って流れに変える要素です。たとえば金と木がぶつかるなら、間に立つ水が両者をつなぎます。通関用神は運勢を決める答えではなく、五行の対立を相生の流れへと通す用神である——星命の栞はそう捉えます。
通関用神の基本構造(全体像)
通関用神は、対立する二つの五行の間に立つ要素です。
[図: 関係図]
通関用神とは
通関用神とは、命式のなかで剋し合う二つの五行があるとき、その間に立って関係を取り持つ用神のことです。「通関」とは関(せき)を通す、つまり滞りを流れに変える、という意味です。用神そのものは 用神とは を参照してください。
たとえば金が木を剋して両者が争っている命式では、水を用神にすると、金は水を生み(金生水)、水は木を生む(水生木)という流れができ、対立がやわらぎます。この水が通関用神です。五行の生剋は 陰陽五行とは を参照してください。
通関用神の決まり方
通関用神は、攻める五行と攻められる五行の間に入る要素として選ばれます。具体的には次のような対応になります。
- 金と木が剋し合う → 間に立つのは水
- 木と土が剋し合う → 間に立つのは火
- 土と水が剋し合う → 間に立つのは金
- 水と火が剋し合う → 間に立つのは木
- 火と金が剋し合う → 間に立つのは土
扶抑・調候用神との違い
通関用神が「五行どうしの対立」を解く観点であるのに対し、扶抑用神は「日主の強弱」、調候用神は「寒暖燥湿(気候)」を基準にします。くわしくは 扶抑用神とは・調候用神とは を参照してください。
通関が役立つのは、二つの五行の争いが命式の偏りの中心になっている場合です。どの観点を重んじるかは命式によって変わります。選び方の手順は 用神選定とは を参照してください。
命式での働き
通関用神がはたらくと、剋し合って滞っていた五行が流れを取り戻し、命式が動きやすくなると読まれます。大運や流年で通関用神がめぐると、対立がやわらぐと語られます。
ただし、通関用神は単独で運勢を決めるものではありません。日主の強弱や命式全体の配置とあわせて読んではじめて意味を持ちます。星命の栞は、通関用神を運勢の断定としては扱いません。
歴史・背景
通関の考え方は、五行の相生・相剋を中心に命式を読む子平法(四柱推命)のなかで整えられました。剋し合う関係を相生でつなぐという発想は、五行論の基本に根ざしています。古典『滴天髄』『淵海子平』が、五行の中和と流れの読み方を伝えています。年代や帰属には諸説があり、星命の栞では確定した事実と伝承を区別して扱います。
古典における解釈
通関用神の考え方は、星命の栞が中核に置く古典に根拠があります。以下は星命の栞による現代的な要約であり、原文そのものではありません。原文の直接引用が必要な場合は、末尾の出典に挙げた章ページで確認します。
- 『滴天髄』(SRC003)— 五行の中和と、対立を流れに変える関係を論じます。
- 『淵海子平』(SRC001)— 相生・相剋を踏まえた命式の読み方を伝えます。
現代における解釈
現代では、通関用神は「対立を解く要素」「五行の橋渡し」といった形で紹介されます。
星命の栞は、こうした分かりやすさを尊重しつつも、通関用神を対立を解く魔法にはしません。通関用神はあくまで五行の争いを流れに変える視点であり、命式全体のなかで意味が変わる、という前提を崩さずに紹介します。
通関用神の限界
通関用神を読むときには、限界があります。第一に、通関が役立つのは対立が命式の中心にある場合で、すべての命式に当てはまるわけではありません。第二に、間に立つ五行が弱ければ、通関の働きは十分に出ないことがあります。第三に、通関用神を選んでも、運勢が決まるわけではありません。星命の栞は、こうした限界を伏せずに示します。
なぜ星命の栞は通関用神をこう説明するのか
通関用神は「対立を解けば運が開ける」と、結果に直結して語られがちです。星命の栞は、その手前で立ち止まり、通関用神を五行の対立を流れへと変える視点として説明します。
通関用神が「流れの言葉」だと分かれば、それは対立を消す魔法ではなく、命式のどこが滞り、何でつながるのかを考える視点になります。その読みをどう生かすかを自分で考える——それが、星命の栞の姿勢です。
関連概念
まとめ
通関用神とは、命式で対立する二つの五行の間を取り持つ用神です。攻める五行が生み、攻められる五行を生む要素を間に立てることで、剋し合いを相生の流れに変えます。日主の強弱で選ぶ扶抑用神、気候で選ぶ調候用神とは観点が異なり、対立が命式の中心にあるときに役立ちます。
星命の栞は、通関用神を対立を解く魔法ではなく、五行の争いを流れへと変える視点として扱います。通関をつかんだら、扶抑・調候といったほかの選び方や、中心の用神へと読み進めていきましょう。
> 本記事は医療・法律など、重大な人生判断の代替となるものではありません。通関用神や用神の選び方には流派や版による違いがあり、本記事は確立した枠組みと星命の栞による現代的説明とを区別して記述しています。
出典・参考資料
- 『滴天髄』(宋・京図 撰/劉基(劉伯温)注とされる)SRC003 ― 五行の中和・対立を流れに変える関係を論じる命理古典
- 『淵海子平』(南宋・徐大升/徐升 編とされる)SRC001 ― 相生・相剋を踏まえた命式の読み方を伝える基礎古典
- 横断参照:中国哲学書電子化計画(CTEXT)等
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大耗とは、太歳(年支)から求める神殺で、消耗や備え、整理に心を向ける働きを表すとされます。早見表、歳破・小耗との関係、現代では補助として読むことまで、四柱推命の神殺として中立に解説します。 - 大運空亡とは
- 天中殺とは
- 天乙貴人とは
天乙貴人とは、日干から求める貴人系の神殺で、助けや縁の働きを表すとされます。早見表での求め方、流派差、現代では補助として読むことまで、四柱推命の神殺として中立に解説します。 - 天医とは
天医とは、月支の一つ前の地支で求める神殺で、整える働きや養生への意識、手当てに親しむ縁を表すとされます。早見表、流派差、現代では補助として読むことまで、四柱推命の神殺として中立に解説します。 - 天厨貴人とは
天厨貴人とは、日干から地支を見て求める貴人系の神殺で、食や健やかさの支えを表すとされます。早見表、流派差、現代では補助として読むことまで、四柱推命の神殺として中立に解説します。 - 天喜とは
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巳申合とは、十二支の巳(み)と申(さる)が結びつく六合の一つで、水の性質を帯びると読む関係です。六合の仕組み、化・冲との関係、吉凶を断定しない読み方まで中立に解説します。 - 巳酉丑三合とは
巳酉丑三合とは、地支の巳・酉・丑がそろって金局(金のまとまり)をつくる三合です。生・旺・墓の仕組み、半合との違い、吉凶を断定しない読み方まで中立に解説します。 - 干合とは
干合とは、十干のうち特定の二つが結びついて働きをまとめる関係のことです。甲己・乙庚など五つの組(五合)、化す五行、合化との違い、吉凶を断定しない読み方まで、四柱推命の基礎として初心者向けに中立に解説し - 干支の剋合とは
干支の剋合とは、干支どうしに働く剋(ぶつかり・抑える力)と合(結びつき・まとめる力)の総称です。天干と地支での違い、両者の関係、吉凶を断定しない読み方まで、四柱推命の基礎として中立に解説します。 - 干支の四柱推命との関係
干支の四柱推命との関係とは、年月日時を干支で表し四つの柱から命式をつくる結びつきです。五行と関係を読む役割まで中立に解説します。 - 干支の基礎
干支の基礎とは、十干と十二支を組み合わせて時間・方位・五行を表す、四柱推命の土台の記号です。命式の言葉としての役割まで中立に解説します。 - 干支の思想
- 年柱とは
- 庚金の相性
庚金の相性とは、庚金(陽の金)が他の干支や五行とどんな関係になるかを、五行の生剋から読む見方です。助ける・抑える・仲間などの関係を、優劣ではなく中立に解説します。 - 従児格とは
従児格(じゅうじかく)とは、日主が弱く根を持たないとき、命式を占める食傷(児)の勢いに従う変格のことです。「児」は日主が生む星(食神・傷官)を指します。 - 従官格とは
従官格(じゅうかんかく)とは、日主が弱く根を持たないとき、命式を占める正官の勢いに従う変格のことです。 - 従強格とは
従強格(じゅうきょうかく)とは、命式が印星と比劫でほぼ占められ、とくに印星が日主を強く生んで、日主が強い勢いに従う変格のことです。 - 従旺格とは
従旺格(じゅうおうかく)とは、命式が比劫(日主と同じ五行)でほぼ占められ、日主が自分の旺んな勢いに従う変格のことです。 - 従格とは
従格(じゅうかく)とは、日主が極端に弱く根を持たないとき、命式を支配する強い勢いに従う変格のことです。日主を助けるのではなく、流れに身をゆだねます。 - 従格用神とは
従格用神(じゅうかくようじん)とは、日主が極端に弱く、他の強い勢いに従う命式で選ぶ用神のことです。日主を支えるのではなく、従う相手の勢いを活かします。 - 従殺格とは
従殺格(じゅうさつかく)とは、日主が弱く根を持たないとき、命式を占める七殺(偏官)の勢いに従う変格のことです。 - 従財格とは
従財格(じゅうざいかく)とは、日主が弱く根を持たないとき、命式を占める財の勢いに従う変格のことです。 - 従革格とは
従革格(じゅうかくかく)とは、金の五行に極端に偏った専旺格(一行得気格)です。日主が庚・辛で、命式が金に満ちている型を指します。 - 忌神とは
忌神(きじん)とは、用神の働きを妨げる五行(または十神)のことです。用神を中心に据えたとき、その用神を弱めたり傷つけたりする役割を担います。 - 戊土の相性
戊土の相性とは、戊土(陽の土)が他の干支や五行とどんな関係になるかを、五行の生剋から読む見方です。助ける・抑える・仲間などの関係を、優劣ではなく中立に解説します。 - 戊癸合とは
戊癸合とは、十干の戊と癸が結びつく干合の一つです。条件が整えば火に化す働き、古典の呼び名「無情の合」、吉凶を断定しない読み方まで、四柱推命の基礎として初心者向けに中立に解説します。 - 戌の相性
戌の相性とは、戌(いぬ・五行では土)が他の十二支や五行とどんな関係になるかを、五行の生剋・合・冲から読む見方です。助ける・抑える・結びつくなどの関係を、優劣ではなく中立に解説します。 - 扶抑用神とは
扶抑用神(ふよくようじん)とは、日主の強弱を基準に選ぶ用神のことです。日主が弱ければ助け(扶)、強ければ抑え(抑)を用神とします。 - 拱禄格とは
- 拱禄格(きょうろくかく)とは、日柱と時柱が、日干の禄(建禄)にあたる支を「はさむ(拱む)」、古典に伝わる格のことです。 - たとえば癸亥日+癸丑時は、亥と丑のあいだに子(癸の禄)をはさみます。五つ - 拱貴格とは
- 拱貴格(きょうきかく)とは、日柱と時柱が、天乙貴人(貴)にあたる支を「はさむ(拱む)」、古典に伝わる格のことです。 - 拱禄格が禄をはさむのに対し、拱貴格は貴人をはさみます。命式に表れていない貴を - 攀鞍とは
攀鞍とは、三合の将星の次の地支で求める神殺で、支度や備え、登り始めに心を向ける働きを表すとされます。早見表、将星・駅馬との関係、現代では補助として読むことまで、四柱推命の神殺として中立に解説します。 - 支合とは
- 文昌貴人とは
文昌貴人とは、日干から地支を見て求める貴人系の神殺で、学びや才知、文に親しむ働きを表すとされます。早見表、流派差、現代では補助として読むことまで、四柱推命の神殺として中立に解説します。 - 方合とは
- 日刃格とは
- 日刃格(にちじんかく)とは、日支が羊刃(刃)にあたる、古典に伝わる格のことです。丙午・戊午・壬子日が代表です。 - 羊刃が日支という、日主のすぐ足元に立つため、日主がとても強くなる型とされます。 - 日座空亡とは
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- 日柱とは
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旺衰とは、命式の五行や日主が季節に対してどれだけ強いか弱いかの状態のことです。旺相休囚死の五段階、月令との関係、身強身弱との違い、吉凶を断定しない読み方まで、四柱推命の基礎として中立に解説します。 - 明治以降の占術受容
- 易の四柱推命との関係
よくある質問
通関用神とは何ですか?
命式で対立する二つの五行の間を取り持つ用神です。剋し合う関係を、生み合う流れへとつなぎます。
通関用神の読み方は何ですか?
「つうかんようじん」と読みます。関(滞り)を通す用神、という意味です。
通関用神はどう決まりますか?
攻める五行と攻められる五行の間に立つ要素を選びます。攻める側が生み、攻められる側を生む五行が通関用神です。
通関の具体例を教えてください。
金と木が争うなら水、木と土なら火、土と水なら金、水と火なら木、火と金なら土が間に立ちます。
なぜ間に立つ五行が役立つのですか?
攻める五行の力をいったん受け取り、攻められる五行へ渡すことで、剋し合いが生み合いの流れに変わるためです。
通関用神と扶抑用神はどう違いますか?
通関は五行どうしの対立を、扶抑は日主の強弱を基準にします。観点が異なります。
通関用神と調候用神はどう違いますか?
通関は五行の対立を、調候は寒暖燥湿(気候)を基準にします。命式の偏りの種類によって使い分けます。
どんな命式で通関を使いますか?
二つの五行の争いが命式の偏りの中心になっている命式で役立ちます。すべての命式に使うわけではありません。
通関用神が弱いとどうなりますか?
間に立つ五行が弱いと、対立を流れに変える働きが十分に出ないことがあります。命式全体の力関係で判断します。
通関用神があると運が整いますか?
対立がやわらぎ命式が動きやすくなると読まれますが、運勢を決めるものではありません。星命の栞は運を保証するものとしては扱いません。
通関用神に運勢を決める力はありますか?
通関用神そのものが運勢を決めるわけではありません。意味は命式全体や運との関係のなかで生まれます。星命の栞は運勢を決めつけません。
通関用神だけで命式は読めますか?
読めません。通関は対立の観点で、日主の強弱(扶抑)や気候(調候)とあわせて読みます。
自分の命式に通関用神が要るか調べるには?
命式で剋し合う二つの五行が偏りの中心になっているかを見ます。あれば、その間に立つ五行が候補になります。
通関と扶抑は併用しますか?
はい。対立を通関で解きつつ、日主の強弱を扶抑で整える、というように組み合わせて読むことがあります。
通関用神の次は何を学べばよいですか?
ほかの選び方である [扶抑用神とは](/shichu-suimei/yojin/fuyoku-yojin/)・[調候用神とは](/shichu-suimei/yojin/choko-yojin/)、中心の [用神とは](/shichu-suimei/yojin/) へ進むのがおすすめです。